しば

詩・詩論・資料、など

[h2vr char="20"] 父

オレニハカンガエテイルコトガアル ポツリと父がつぶやく

直前 何があったのだったか 家に帰ろうとした?

ベッドに起き上がろうとする父は すでに抗う力を持たず 抑えられるまま 静かに横になり目をつぶったのではなかったか

病室にだれがいるともわからぬままに スンマセンなぁ、とだけ。 もう息子の顔も忘れてしまった

そして諦めて横を向く

つぶやくのはそんな時だ オレニハカンガエテイルコトガアル

早く良くなって帰ろうな (たぶん家にはもう帰れない)

オレニハカンガエテイルコトガアル

乾ききった父の目に何がにじむ

2016/01/22 『詩人会議』じゆうの広場に投稿 2016、5月号に掲載 [/h2vr]